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30年後の日記
私が愛して止まないAppleの新製品が先日発表された。 

AppleがPC関連の事業を断念してから丸十年。意外な分野から完全復活を果たした。
医療だ。
それにしてももの凄い発明だ。何故今までコレが発明されなかったのか。
今、世界中が大騒ぎをしている。歓喜の渦とは正にこの事を言うのだろう。
この発明により、自殺は激減、ストレスを大幅に軽減する事により争いも減り、戦争抑止力にも貢献するということで、早くもノーベル賞の候補に上がるのではとの噂が広まっている。個人的には深く納得である。

仕組みはまだ明かされていないが、バンド状のものを頭の回りに装着し、数値を入力する事により、髪の量を自在にコントロールできる。勿論、髪の毛の無い人間にも有効。つまりこれは、人類が長年夢見てきた完璧な毛生え薬、否、毛生えマシーンなのだ。

依然AppleのCEOとして君臨し続けるご老体、スティーブ・ジョブズ氏の頭もフッサフサだ。発表セレモニーの舞台で筋肉質の5人の若者に髪の毛をぐいぐい引っ張られていたが、明らかに地毛だった。素晴らしい。全ては彼自身の為の開発だったんだろうなぁと思う。いつまでたってもジーパンのあの爺さんは何歳なんだ…。


自分の血を恨み続けていた息子達とも、ようやく和解の時がきた。
ハゲの血は、これで浄化される。
「何で禿げのお前の子供なんだよ俺は……!!」
…と、泣きながら胸ぐらを掴まれたあの日のことが日々、私を苦しませた。
その時の長男も、既に生え際が怪しかった。禿げにだけわかる禿げかけの匂い…。
でももう忘れよう…禿げの遺伝子をばらまく負い目を、ようやく拭える時が来たのだ。

妻から電報が届いた。
離婚届は破り捨てました、とだけ書いてあった。
もう何十年も前に受理されているものだと思っていた。ずっと手元に置いていたらしい。
そうか…全てはハゲのせいだったんだな………。

ベッドの横で恭子がムスッとしていた。
しょうがない子だ…。

恭子の手をそっと握り、私はただ病室の天井を見つめていた。




































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なんだこりゃ…。

 
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